特別講演


13:00~

Sleep Apnea Syndromeの診断治療のエッセンス

(一社)横浜市医師会 横浜内科学会 会長 / 神奈川睡眠呼吸障害研究会 会長
小野 容明 先生

SASの診断は、10秒以上の無呼吸(完全な気流の停止)が睡眠中に1時間平均で5回以上認められた場合に確定する。病因としては解剖学的因子が強く関与し、小顎・下顎後退・短頸・扁桃肥大といった上気道の形態異常や巨舌を呈する粘液水腫のような内分泌疾患などが含まれる。SASのほとんどが閉塞型睡眠時無呼吸症候群(Obstructive Sleep Apnea Syndrome:OSAS)であり、70%の症例には肥満の合併がある。患者の上気道周囲の筋肉は覚醒時に最大の活動をしており、上気道は開存しているが、睡眠により上気道周囲の筋肉の活動電位が低下し、吸気時の陰圧によって舌根部や咽頭後壁が引き込まれ上気道が閉塞するため無呼吸を生ずる。睡眠中の無呼吸により甚だしい低酸素血症を呈し、いびきとして呼吸を再開する時に、脳波上短時間ではあるが覚醒状態となる。即ち睡眠が分断されるわけである。例えば無呼吸指数20回の患者は1時間に20回の間欠的な低酸素状態と睡眠の分断があると考えて差し支えない。このため以下のごときさまざまな症状を引き起こす。昼間の眠気・集中力の低下・起床時の頭痛・夜間の頻尿・インポテンツなどである。患者の多くは社会的に生産能力の高い年齢層に分布しており、疾患に起因する社会的損失は想像を絶する。また高血圧・耐糖能異常・高脂血症の合併例が多く、虚血性心疾患や脳血管障害の発症頻度は正常人に比らべ明らかに高い。したがってこれらの致死的合併症の回避が最終的な治療目標となる。

小野 容明 先生画像

小野 容明 氏プロフィール

略歴

昭和57年
東海大学医学部卒業
昭和60年
横浜市立横浜市民病院呼吸器内科
昭和62年
国立がんセンター
昭和63年
東京都済生会中央病院
平成1年
米国ペンシルヴァニア大学
平成5年
東海大学呼吸器内科講師
平成14年4月
横浜呼吸器クリニック院長